日私学保連令和４年度総会・研修会が、令和４年７月７・８日の２日間、高知市のザクラウンパレス新阪急高知を会場に「今こそ私学から発信～教育が未来を拓く～２１世紀（明日）を担う子どもたちのために～」をテーマに、３年ぶりに対面で開催された。当日は末松信介文部科学大臣に代わり森晃憲文部科学省高等教育局私学部長をはじめ、岸田文雄自由民主党総裁に代わり尾﨑正直衆議院議員、濵田省司高知県知事、明神健夫高知県議会議長、吉田晋日本私立中学高等学校連合会会長の他、多数のご来賓のご臨席を賜り、全国各都道府県から私学保護者会の代表者ら約１５０名が参集した。

定刻に開会し、髙島篤副会長（北海道）の司会進行のもと、中園裕介副会長（九州地区・福岡県）の開会挨拶に続き、門傳英慈会長が「コロナ禍により２年間、定期総会を開催することができなかったが、この度高知県の皆様方のご尽力で開催できることに感謝申し上げる。コロナ禍により学校や家庭の学習環境が大きく変化し子供たちが望む環境や進路が難しくなっている事例もある。私立が公立をリードしている高知県で、この時期にこの大会を開催することは大変意義深いものがある」と挨拶した。

続いて、高知県私立中学高等学校保護者会連合会の利岡俊祐会長が、来賓、参加者への謝意の言葉に続き「高知県は坂本龍馬、岩崎弥太郎、板垣退助、牧野富太郎など多くの偉人を輩出してきた。これも土佐藩の文武両道を重んじる藩教育や寺子屋による庶民の教育も盛んであったこと、酒好き、議論好きの土佐人の気質があってのことと思う。高知には９校の私学が建学の精神に基づき特色ある教育を行うとともに、時代のニーズを取り入れた教育に積極的に取り組み公教育の発展に貢献している。この２日間が皆様にとり実りの多いものとなることを祈念している」と挨拶した。

ご多忙の中ご臨席いただいたご来賓の内、次の５名の方々からご祝辞を頂戴した。

公務のためご欠席の末松信介文部科学大臣に代わり、文部科学省高等教育局の森晃憲私学部長が「岸田内閣においては、人への投資を抜本的に強化するとともに子供や働く世代の視点に立った子供政策を強力に推進していくこととしている。変化の激しい時代だからこそ私立学校の良さが一層生かされていくことが期待されており、文部科学省として、厳しい財政状況の下ではあるが、今後とも私学助成の充実や税制上の優遇措置をはじめとした私立学校の振興方策の推進にしっかり取り組ませていただく」と大臣祝辞を代読された。
続いて、岸田文雄自由民主党総裁に代わり尾﨑正直衆議院議員が「保護者の立場から建学の精神に基づき新たなチャレンジを生み出す私学教育に様々なバックアップをいただき心から敬意を表する」と述べられたのち「岸田内閣では、今、人への投資に力を入れようとしている。高知県の私学は建学の精神に則り進学を重視する学校やスポーツ教育を重視する学校もあるなど個性豊かな教育を展開している。一言でいえば伸びる部分をしっかり伸ばすことが重要である。今総会において様々な意見交換が行われ、学びあい、有意義な大会となることを期待している。自由民主党として私学振興に力を入れてやっていく所存である」と挨拶した。

次に濵田省司高知県知事が「２年半のコロナ禍で私学の皆様には、子供の学ぶ機会の保障と感染拡大防止の両立にご尽力いただき心より感謝申し上げる」との謝意に続き「私学では建学の精神に基づき独自性を発揮しながら我が国の将来を担う子供たちの人材育成を図っていただき心より敬意を表する。高知県は私立中高のシェアが非常に高く、とりわけ私立中学校は東京に次いで全国２番目のシェアであり、私学の特色教育へのサポート保護者の負担軽減に精一杯取り組んでいる」と挨拶した。
続いて、明神健夫高知県議会議長が「国の将来を担う子供たちを育てる私立学校の果たす役割は、ますます重要になっている。高知県議会としても例年国に対し私学助成の拡充強化等に関する意見書を提出しており、私立学校の振興発展のため、また、保護者負担の軽減が図られるよう、財政支援の強化や教育施設整備の充実に一層の努力を続けて参りたい」と述べた。
最後に、日本私立中学高等学校連合会の吉田会長が「この２年間コロナ禍でなかなか大会等が開催できず、ＰＴＡ活動、後援会活動をされている皆様が、このような機会がなければ知り合うことのできなかった方々と知り合うことができ、意見交換できることは大変素晴らしいことである。また、文部科学省や自由民主党からの森部長、尾﨑衆議院議員、濵田高知県知事をはじめ多くのご来賓にお越しいただき、私学を応援してくださっている。まさに高知県私学振興大会のようであり厚く御礼を申し上げる」と述べた。
この他、岸田文雄自由民主党総裁の祝文や祝電が披露された。

衆議院議員
自民党組織運動本部地方組織・議員総局長　　　　　尾﨑正直　様（総会）
文部科学省高等教育局私学部長　　　　　　　　　　森　晃憲　様（総会）
高知県知事　　　　　　　　　　　　　　　　　　　濵田省司　様（総会）
高知県議会議長　　　　　　　　　　　　　　　　　明神健夫　様（総会）
高知県私学振興議員連盟会長　　　　　　　　　　　西内　健　様（総会・交流会）
高知県生活文化スポーツ部長　　　　　　　　　　　岡村昭一　様（総会・交流会）
高知県生活文化スポーツ部私学・大学支援課長　　　岡　里香　様（総会・交流会）
日本私立中学高等学校連合会会長　　　　　　　　　吉田　晋　様（総会・交流会）
日本私立中学高等学校連合会副会長
愛媛県私立中学高等学校連合会会長　　　　　　　　中村道郎　様（総会）
香川県私立中学高等学校連合会会長　　　　　　　　香川泰造　様（総会）
高知県私立中学高等学校連合会会長　　　　　　　　橋本和紀　様（総会・交流会）

功労者表彰３２名、特別功労者表彰８名の被表彰者を代表して、山口県前会長の村松浩二様に感謝状と記念品が授与された。
村松様から「被表彰者を代表してお礼を申し上げる。私は５年間の保護者会活動で、総会、研修会で他県の保護者の皆様といろいろな話をする機会が持て本当に楽しく有意義であった。山口県や自分の学校に持ち帰り参考にさせてもらっている。私は所属学校の会長を含め１０年間活動してきた。本日の総会研修会のテーマの通り私学がより一層発展するよう微力ではあるが今後ともお手伝いさせていただきたい」と挨拶があった。

開催県高知県の利岡会長と次期総会開催県兵庫県の森口会長を議長に議事が進行された。

(1)(2)令和３年度事業報告・決算報告
門傳会長から令和３年度事業報告、山本千曲副会長（中国地区・広島県）から同決算報告、鴨下博厚監事から会計監査報告が行われ、審議の結果、原案通り承認された。

(3)(4)令和４年度事業計画（案）・予算（案）
門傳会長から令和４年度事業計画（案）、山本千曲副会長から同予算（案）について説明があり、審議の結果、原案通り承認された。

(5)令和４・５年度役員の選任
鹿濱徳雄副会長（理事候補者・東京）から令和４年度は役員の改選期にあたることから、総会の直前に各地区から選出された理事候補者による第１回理事会において、門傳現会長の２期４年の任期を特例的に１期２年延長すること並びに理事の互選による正副会長候補者が提案され、審議の結果承認された。続投の門傳会長から就任挨拶が行われた。

(6)今後の総会・研修会について　
高島副会長から令和４年度青少年育成研修会は１１月１８日（金）愛知県名古屋市・名古屋ガーデンパレスで、令和５年度総会は兵庫県で、令和５年度青少年育成研修会は岩手県で開催することが報告され、承認された。なお、本会の創立２０周年記念行事は令和７年度に開催予定であることも付言された。

(7)その他
山本千曲副会長から、令和４年度私学振興全国大会が１１月９日（水）東京・私学会館で開催予定であることを説明し、原案通り承認された。

辻尾真弓副会長（近畿地区・大阪府）が「今後とも私立学校団体と一体となり、私学助成や就学支援金制度等の拡充運動の事業活動を通じて、私立学校の振興発展に寄与する」と決議文を読み上げ、満場一致で決議された。
以上ですべての議事を終了し、山本幸男副会長（四国地区・香川県）の閉会の挨拶があり、総会は無事終了した。

日本私立中学高等学校連合会の吉田　晋会長が「私立学校を取り巻く情勢について」と題し、資料を交え、私立学校や私学助成の基本を保護者にも分かりやすく解説した。

土佐女子高等学校「邦楽部」の皆さんによる琴の演奏が披露された。

高知県私立中学高等学校保護者会連合会の宮本貴光様の司会進行の下に、主催者を代表し門傳会長、開催地を代表し利岡会長の挨拶の後、ご出席の来賓を代表し、高知県私学振興議員連盟の西内健会長、高知県生活文化スポーツ部私学・大学支援課の岡里香課長、並びに高知県私立中学高等学校連合会の橋本和紀会長から挨拶があった。続いて、日本私立中学高等学校連合会の吉田会長の乾杯のご発声で和やかな交流会の時間となった。交流会では、地区ごとに出席者がステージ上に登壇し、地区や都道府県の保護者会活動の報告等が行われた。

東京大学野球部元監督（２０１３～２０１９）を務めながら、東大スカウトとして全国を回り、高校球児に学習メソッドを伝授し、現在は自ら創業した「ＡＩ西武学院」塾長を務める浜田一志氏が「文武両道のすすめ」と題し講演した。

希望者を対象に桂浜、牧野植物園、竹林寺の見学が行われた。