平成24年度 総会・研修会 岩手大会報告

「今こそ私学から発信~生きる力を育む~“復興”-今、私たちにできること-」

平成24年度 総会・研修会が開催された。

日本私立小学校中学校高等学校保護者会連合会(日私学保連)「平成24年度総会・研修会岩手大会」が、7月12日(木)と13日(金)の両日、岩手県盛岡市「ホテルメトロポリタン盛岡 ニューウィング」で開催された。

 昨年3月11日に発生した東日本大震災の復興を願う大会となった。「今こそ私学から発信~生きる力を育む~“復興”-今、私たちにできること」をテーマとした今年の大会には、全国各地より保護者会代表ら115名の出席、また、私立中学校高等学校連合会の吉田晋会長、岩手県県議会議長佐々木博様、岩手県総務部長加藤主税様をはじめ、多数のご来賓の方々にご出席いただいて開催された。なお、総会前に、東日本大震災で犠牲になられた方々に対し、一分間の黙祷を全員で行った。

会長挨拶・開催地代表挨拶・来賓挨拶・来賓紹介

主催者である日私学保連「新延克己」会長より、冒頭昨年発生した東日本大震災に遭われた地での開催が有意義なものとなるようお願いと、一刻も早い復興が進むことを願っている旨の挨拶があった。また、保護者の立場から「公立高校の授業料無償化」と「高等学校就学支援金制度」では、公私格差が増々問題になってきており、就学支援金制度が実施されたことにより保護者の負担軽減は若干ではあるが図られる結果となったが、この就学支援金制度等の見直しでは、保護者所得の区割りによる複雑な体系による事務処理の問題があることや、学校と保護者が一体となって今後もこの公私間格差是正への運動を推進して行かなければならないとの挨拶があり、そして青少年健全育成事業に関しては、生徒児童への保護者の思いは同じであり、高校生国際交流プログラムへの支援等の事業も推進して行きたいとの挨拶があった。
開催地区から「今こそ私学から発信~生きる力を育む~“復興”-今、私たちにできること-」をテーマとした今年度総会の思いを日私学保連東北地区代表「門傳英慈」副会長より延べられ、東北地方の復旧の実情や震災時各県より多くの義援金や物資提供、また、ボランティアによる支援へのお礼を述べた。
来賓挨拶を先ず「平野博文」文部科学大臣からのメッセージ代読を日私学保連「木曽千浩」副会長が行った。
続いて、岩手県知事「達増拓也」様のご祝辞を岩手県総務部長「加藤主税」様が代読、そして岩手県県議会議長「佐々木博」様からご祝辞を頂戴し、次に日本私立中学高等学校連合会「吉田晋」会長より、昨年の震災以降、全国の保護者からご理解とご協力をいただいている、中高連での私学ボランティア基金の義援金に対する支援の謝辞があり、今後もより一層、中高連・日私学保連との連携を強化し、全体が一つになった数の力によって、私立学校の振興に一緒になって活動して行こうとの挨拶があった。
岩手県総務部長「加藤主税」様
岩手県県議会議長「佐々木博」様

功労者表彰

次に本会の発展にご尽力された方々が功労者表彰を受けられた。代表して「堀越優」様に新延会長より感謝状とともに記念品が贈呈され、堀越様からの謝辞では、日私学保連が一致団結して私学振興に活動すると共に、中高連との連携を密に図りながら私学振興の向上発展にまい進して頂きたいことを強く要望しながら、今後の健闘と発展を祈っているとの謝辞があった。

総会

総会議事では、開催地区の岩手県澤口会長と次期開催地区の香川県より向坂会長が議長に指名され、以下の議案が審議された。
まず初めに、平成23年度の事業報告・同決算報告が承認された。同じく平成24年度事業計画・同予算(案)が提案され、「私立学校振興対策、青少年健全育成事業、関係団体等との連絡提携、広報・啓蒙活動」を柱とし、運営面では正副会長会でしっかりとこれらについて推進して行くとの説明があった。
次に、次年度平成25年度総会・研修会「四国大会」を香川県高松市で平成25年7月12日金曜日・13日土曜日に開催することが承認された。
次に役員改選では、平成24年7月12日より平成26年7月総会までの任期で、会長には、九州地区より福岡県の新延克己会長が再任され、各地区代表の理事および副会長が選任承認された。

最後に、以下総会決議を日私学保連「高島篤」副会長が行い、力強い拍手により採択され、総会は予定通りの時間をもって終了した。

全体会 講演Ⅰ

テーマ 「私学の立場から見る公私間格差の現状と課題」
講 師 日本私立中学高等学校連合会 
会 長  吉 田   晋
を迎え、現在の私学経営の立場から抱える公私間格差の現状における問題点や課題等について講演を戴いた。
この現状を打開するには保護連との共闘は不可欠であり、今後とも車の両輪として活動していくことを確認した。

部活動発表・来賓挨拶・懇親会

部活発表は、岩手県の司会で懇親会前に総会の緊張から一転しなごやかな雰囲気の中で開始された。高校生部活動発表は、☆「盛岡白百合学園中学高等学校の音楽部・オーケストラ部」による弦楽演奏と☆「盛岡中央高等学校のさんさ同好会」によるさんさ踊りの発表があった。
「弦楽演奏」盛岡白百合学園中学高等学校
盛岡白百合学園中学高等学校の規律正しく演奏する弦の奏でる美しいオーケストラの調べ、繊細な響きの心地よさ・・・モーツアルトのデヴェルティメント心が洗われました、素晴らしかったです。
盛岡白百合学園中学校の音楽部、高等学校のオーケストラ部の弦楽合奏の皆さん、ありがとうございました。
「さんさ踊り」盛岡中央高等学校(さんさ同好会)
次に盛岡の夏のメインイベントとして定着している踊りを今回は、大震災復興祈願を込めて踊っていただいた。「盛岡中央高等学校のさんさ同好会」の18名の皆さんが「サッコラ~チョイワヤッセ」の掛け声よろしく躍動感ある元気な踊りを見せていただきありがとうございました。会場の皆が生徒たちに元気をもらうことができました。
ご来賓からは、昨年に引き続き衆議院議員「下村博文」様より震災復興の問題は、最優先課題として取り組んでいかなければならないことや、公私間格差是正へ向けての運動に対し本会への敬意を述べられると共に、私学助成の在り方等現在の政局の実情についてあらためて確認することが出来た。
衆議院議員「下村博文」様
次年度・岩手県から香川県へ引継ぎ


地元岩手県私学協会「小田島順三」会長から歓迎の挨拶と、私学人として建学の精神で直向きに教育に取り組んで来た経緯や公私間格差是正の問題解決への進め方について中高連と日私学保連は一緒になってに取り組んで行こうとの挨拶があった。
 中高連私学振興部「近藤彰朗」会長と「新延克己」会長の乾杯の音頭で懇親会がはじまった。今回の懇親会では、ご当地岩手県に伝わる「おわん(わんこ)のそばを何杯食べるか競争をするわんこそば大会」が企画され、各ブロック対抗戦が開催され、九州地区 宮崎県の福本会長が決戦対決の結果見事に初代チャンピオンに輝いた。各地区代表者からも地区ごとの取り組みやご当地の自慢等の紹介があった「全国の私学は一つ」を合言葉に今後も推進することを確認することが出来た。

最後に開催県の岩手県澤口会長より次期開催県香川県向坂会長へ日私学保連旗の引き継ぎ式が行われ、向坂会長より来年は四国香川県高松で皆様のお越しをお待ちしておりますとの誓いの挨拶で締められた。

平成24年度研修会

今年度の研修会は、午前中の座学と午後からの見学の構成で、《講演:『世界遺産「平泉」について』》が行われた。
演 題 『世界遺産「平泉」について』
講 師  岩手県立図書館 館 長 中村 英俊氏
中村先生は、平泉の世界遺産登録の手続きの窓口である岩手県教育委員会事務局生涯学習文化課の文化財・世界遺産課長として登録手続きに奔走された時の思い出や、この平泉の素晴らしさを世界に発信してきた苦労話等大変貴重なお話しを伺うことができた。
そして、午後から2台のバスに分かれ、研修視察 (世界遺産{毛越寺・中尊寺})へと向かった。途中の高速道路は震災の爪痕が残っていたが、平泉に到着した瞬間にタイムスリップした。
この研修視察をもって、岩手大会が大盛会であったことの報告があり、岩手県保護者会連合会の皆様へ感謝とこの会が増々発展することを誓い平成24年度総会・研修会岩手道大会が終了した。最後に岩手県私立中学高等学校保護者会連合会澤口会長並びに岩手県事務局の皆様方に感謝を申し上げます。 ありがとうございました。
毛越寺の池庭
毛越寺の本堂
中尊寺の金色堂

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